山口で出会った、土の中の時間に思うこと

先日、山口を旅したときのことです。紅葉が少しずつ色づき始めた山のふもとで、「発掘調査体験会」という看板を見つけました。なんだか心が惹かれて、予定を少し変更して立ち寄ってみたのです。まさか、自分の手で何千年も前の土を掘る日が来るなんて——。

土の匂いと静かな時間の流れ

スコップを握ると、土の温もりがじんわりと伝わってきました。最初はただの砂利や石ころしか出てこないのですが、指先に少し違う感触があって、そっと掘り進めると、欠けた土器のかけらが顔を出しました。係の方が「それ、弥生時代のものかもしれませんね」と言うので、思わず息をのみました。

たった一片の土器なのに、そこには確かに“誰かが生きた痕跡”がある。その瞬間、私の中で時間がゆっくりと巻き戻るような感覚がありました。普段の生活の中で、こんなふうに“昔の誰か”とつながる瞬間なんて、なかなかないものです。

過去と今をつなぐ山口の風景

発掘調査が行われている山口の土地は、どこか穏やかで、人の手と自然が共に生きてきた場所という印象があります。田んぼの奥に古墳の丘が見えたり、街の再開発の裏で新たな遺跡が見つかったり。そんなニュースを聞くたびに、今ある街も“時間の層”の上に立っているのだと感じます。

歩くたびに、足元の土の下に何千年分もの暮らしが眠っていると思うと、なんだか胸が熱くなります。人が生き、笑い、食べ、愛した跡が静かに眠っている。山口の風は、そんな過去の声をそっと運んでいるようでした。

私が見つけた山口 発掘調査の魅力

「発掘調査」と聞くと、少し堅苦しい印象を持つかもしれません。でも実際に触れてみると、それは“歴史の中の物語を拾い上げる作業”でした。掘るたびに出てくるのは、無機質な石ではなく、人の温もりが残る断片たち。

山口の発掘調査は、過去を知るだけでなく、今の自分を見つめ直すきっかけにもなる気がします。日常を少し離れて、静かな土の中に耳を澄ませてみる。そんな時間が、心の奥に優しく残りました。